• 医療現場での長年の経験と事例に基づく、医療介護福祉接遇コンサルティング・セミナー開催

このたびの台風19号により被災された方々に、
心からお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

最近の研修先でいただいたご質問の一つに
「患者さんがなかなか説明を理解してくれず困っている」
というものがありました。

すんなり理解してくれる患者さんがいる一方で
いくら説明しても、まったく理解してくれない場合もありますね。

ここで考えたいのは、
理解してほしいと思っている自分のこと。
自分自身が、説明する内容を正しく理解しているかどうか、です。

自分が理解できていれば、
相手がどこまで理解していて、どこから理解できないのかを推察し、
相手にあわせた説明をすることができるはずです。

でも、自分の中にあいまいさや不安があれば、
それは説明の言葉や態度にも表れてしまうもの。

まずは、自分自身の理解を深めることが大切なんですね。

そしてもう一つ。
理解してほしいと思ったら、相手を理解すること。
相手を理解しようと努力すること。

相手がどこまで理解しているのか、
何がわからないのか、
どうしてほしいと思っているのか、
を理解することが大切です。

相手の「?」を理解する、ということですね。

理解していなさそうだなと思ったら、
「説明が下手で申し訳ありません。
 どういうところがわからないですか?」
などと質問して、相手に説明してもらいましょう。

ここがわからない、この説明はどういうこと?
などといった相手の「理解できない点」を知ることで、
相手が求めている説明が可能になります。

一方的に理解してほしい、と思うだけでは
相手が本当に理解してくれるとは限りません。

理解してほしかったら、
まずは相手を理解する努力から始めましょう。

「相手の反応が自分のコミュニケーションの成果である」

これは、私が大切にしている言葉です。

相手が本当に理解してくれた時、
はじめて自分自身も正しく理解できたと言えるのかも。

分かってもらえない、理解してもらえないからと諦めたり
相手や自分を責めたりするのではなく、
どうしたら理解してもらえるだろうかと考え、
言葉や方法を変えて何度でも説明する必要があるのです。

1回の説明で理解してもらえたら、ラッキー!
それくらいの気持ちで、余裕をもって臨みましょう。

理解してほしいと願う真剣な気持ち、熱意や思いやりは
必ず相手に届くと信じて
前向きに取り組んでほしいと思います。